大井 由貴

医学研究科医学専攻
臨床神経学分野
指導教員:高橋 良輔 教授
MIPメンター:脳統合イメージング分野 花川 隆 教授
学位授与 2024年3月

研究内容

脳の白質病変は健常者にも良く見られ、高齢者ではほぼ全員に見られる。その白質病変がMRI画像解析を悪化させていたを証明するとともに、従来の解析手法に機械学習を組み入れることで改善する手法を開発した。本成果は現状の解析手法の対象を高齢者や認知症などの疾患を持つ被験者にまで拡張することを可能にした。

メッセージ

GTEPの選抜メンバーになりボストンに派遣されたことで、米国バイオテックの環境とフィロソフィーに触れ、今後のキャリア構築において大いに参考になった。

藤 浩平

医学研究科 医学専攻
ケミカルバイオロジー分野
指導教員:上杉 志成 教授
MIPメンター:病態生物医学分野 寺井 健太 准教授
学位授与 2024年3月

研究内容

博士論文研究において、青色光照射で損傷する細胞内タンパク質の網羅同定を達成した。本成果で開発された手法は、光感受性タンパク質の包括的な解析への利用が期待される。

メッセージ

本プログラムを通じて、幅広い分野の研究を知ることができました。また、研究留学も支援していただけます。自分の専門領域を多面的に考える素晴らしい経験になると思いますので、ぜひ挑戦してみてください。

増田 達哉

医学研究科 人間健康科学系専攻
先端医療画像解析学分野
指導教員:杉本 直三 教授
MIPメンター:脳神経外科学分野 荒川 芳輝 教授
学位授与 2024年3月

研究内容

博士論文研究において、RUNX1がPh+ALLにおけるBCR-ABL1の転写の活性化を担っており、RUNX阻害剤Chb-M’が、BCR-ABL1のキナーゼドメインの遺伝子異常によりTKIに耐性を獲得したPh+ALL患者に対する有望な治療薬となる可能性を示した。

メッセージ

京都大学脳神経外科の先生方とのMIP異分野共同研究を通して研究の進捗状況や今後の方針について、コミュニケーションを綿密に取り合った結果、学位論文以外に、共同第一著者として論文発表に結実した。MIPを通じた様々な研究活動により、日本学術振興会の特別研究員PDの腫瘍学分野に申請し、採用が内定した。

青木 啓輔

薬学研究科 医薬創成情報科学専攻
創薬有機化学分野
指導教員:大野 浩章 教授
MIPメンター:分子生命基礎医療科学分野 野中 元裕 准教授
学位授与 2024年3月

研究内容

博士論文研究において、鏡の中に存在する抗体フラグメント分子に着目した医薬品候補化合物探索プロセスを構築。本成果は、副作用リスクを低減した医薬品開発への応用が期待されている。

メッセージ

MIPの特別講座やイベントでは、所属研究室に限られない幅広い視点から学びを得ることができました。履修生は、興味があるイベントには積極的に参加することをお勧めします。学生の意見にも耳を傾けてくれるプログラムだと思うので、履修生の意見を発信して、より良いプログラムになっていくことを期待します。

劉 楓

薬学研究科 薬科学専攻
生体分子認識学分野
指導教員:竹島 浩 教授
MIPメンター:神経・細胞薬理学分野 通山 潔 特定助教
学位授与 2024年3月

研究内容

博士論文研究において、基礎学術指向の課題ではありますが、Ca²⁺ハンドリングを制御することでマクロファージ関連疾患の治療に資する知見が得られる可能性も追求しており、医薬領域への貢献することが期待されている。

メッセージ

実験現象を自分の目で確認し、常に疑念を持って実験結果を扱うことの大切さも考えてください。世界の基礎学術に大きな影響を与える研究を手掛けて、厳格な態度で研究成果を継続的に発表する申請者になるように頑張ってください。

北 悠人

医学研究科 医科学専攻
幹細胞応用研究分野
指導教員:江藤 浩之 教授
MIPメンター:臨床応用研究部門 堀田 秋津 准教授
学位授与 2024年1月

研究内容

博士論文研究において、未だ根治療法のない難病であるデュシェンヌ型筋ジストロフィーの汎用的な治療法を新規ゲノム編集技術CRISPR-Cas3を用いて開発することに成功した。これにより、より多くの患者に適用可能な治療法となることが期待される。

メッセージ

産官学様々な分野の先生方から多くの刺激をいただけましたし、それにより自分の考え方や目指すべき道も変わりました。論文のリバイズにかなり時間がかかったので反面教師として使っていただければと思います。早めに出すことをお勧めします。

旭 拓真

医学研究科 医科学専攻
免疫制御分野
指導教員:生田 宏一 教授
MIPメンター:再生免疫学分野 宮崎 正輝 准教授
学位授与 2023年3月

研究内容

博士論文研究において、ビタミンAの代謝物であるレチノイン酸が、抗ウイルス・抗がん免疫に重要な1型自然リンパ球 (ILC1) の維持と機能性の亢進に必要であることを解明した。本成果により、栄養と免疫系の新たな関係性が解明され、感染制御研究や将来的ながん治療への応用に向けた有用な知見がもたらされた。

メッセージ

MIPから支給いただいた研究費を使い、主体的に研究計画を立てて資金の用途を練ったのはよい経験になった。またMIPの始動年度から所属していたが、学生の意見を柔軟に取り入れ、プログラムをアップデートしていくMIPメンバーの先生方の姿勢が印象的だった。全体として、MIPは学生に自主的な行動を求め、それに応えられれば力がつくという形を取っている。学生たちは目的意識と主体性を持ってどんどん研究し、イベントに参加し、意見を発信していくことで、自身や他のMIP履修生にもプラスの影響を与えることができると思う。

鄒 兆南

医学研究科 医科学専攻
創薬医学講座
指導教員:沖 真弥 特定准教授
MIPメンター:バイオメディカルデータサイエンス分野 鎌田 真由美 准教授
学位授与 2023年3月

研究内容

博士論文研究において、バイオビッグデータ解析によって薬剤の作用機序を解明する手法を開発。本成果は、疾患の新たな治療法の開発や新規創薬標的分子の発見、既存薬の新たな適用や副作用リスクの仮説構築に応用されることが期待されている。

メッセージ

自分の研究で給与と研究費がもらえた最初の経験でした。

山脇 優輝

医学研究科 医学専攻
創薬医学講座
指導教員:大槻 元 特定教授
MIPメンター:生体情報科学分野 渡邉 大 教授
学位授与 2023年3月

研究内容

博士論文研究において、脳内の免疫細胞であるミクログリアが大脳皮質前頭前野の神経活動を制御することを発見し、そのメカニズムを初めて明らかにした。近年、うつ病などの精神疾患は前頭前野を含む脳内の異常免疫が示されているため、今後ミクログリアを介した神経活動の制御は精神疾患の予防法・治療法につながる可能性がある。

メッセージ

様々な分野の学生や先生と出会い、将来の視野が広がった。様々な人と話せる機会を与えていただいたMIPに感謝しています。

高見 大地

薬学研究科 薬科学専攻
免疫制御分野
指導教員:生田 宏一 教授
MIPメンター:細胞制御分野 森田 大輔 助教
学位授与 2023年3月

研究内容

博士研究において、生理活性物質インターロイキン7の生体内における局所的な作用を同定。本成果はアレルギー性炎症に対する治療薬開発に応用されることが期待されている。

メッセージ

MIPでは大学にいながらも、企業や社会における基礎を学ぶことができ、産学異なる視点から創薬について学びました。自分の将来に対して幅広い視野を持ってプログラムを受講することで、修了後にきっと役立つと思います。